ALSの診断

    ALSの治療


    ALSは、日本語で筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)とよばれる神経の病気です。筋肉の動きを支配する脊髄の運動ニューロン(運動神経細胞)が侵され、筋肉を動かそうとする信号が伝わらなくなるため、からだが動かしにくくなり、筋肉がやせ細ってきます。厚生労働省によって難病の1つに指定されており、医療費などの公的補助が受けられます。

    監修:岩崎 泰雄 先生

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    日本のALS患者さんの数は、2016年の報告*によると約9,600人で、発症年齢は50~74歳の年齢層に集中しており、男女とも発症のピークは65~69歳、男性に多く発症するといわれています。
    *難病情報センター「特定疾患医療受給者所持者数」より

    監修:岩崎 泰雄 先生

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    ALSは感染する病気ではありません。何らかの原因で、筋肉の動きを支配する脊髄の運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される神経の病気です。

    監修:岩崎 泰雄 先生

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    ALSの原因は現時点で明らかになっていませんが、これまでの研究からいくつかの仮説が考えられています。主な仮説として、グルタミン酸過剰説、環境説、神経栄養因子欠乏説、家族性/遺伝性説なとがあり、約90~95%は遺伝とは関係なく発症するといわれています。

    監修:岩崎 泰雄 先生

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    • 用語集・筋萎縮性側索硬化症

    ALSの病因は現時点で明らかになっていませんが、約90~95%は遺伝とは関係なく発症するといわれています。血縁者のなかに複数のALS発症者がいる場合を家族性ALSとよび、ALSの約5~10%を占めるとされています。家族性ALSの原因は、遺伝性である場合が多いですが、環境が要因である場合もあります。

    監修:岩崎 泰雄 先生

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    ALSの初期の自覚症状には次のようなものがあります。このような症状に思い当たる場合、早めに神経内科を受診することをお勧めします。

    1. 手や指の筋肉の力が弱って、箸やペンを握れなくなったり、腕が上がらなくなる。
    2. どちらかの足の力が弱くなったり、突っ張りがあり、歩きにくくなる。
    3. しゃべりにくくなったり、食べ物が飲み込みにくくなる。
    4. 顔や手足の筋肉の表面が小さくけいれんする。
    5. 上記の1~3の症状が、徐々に強くなってくる。

    監修:佐々木 彰一 先生

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    手足(四肢)やからだが動かしにくくなる運動障害、ことばを発音しにくくなる構音障害(コミュニケーション障害)、食べ物が飲み込みにくくなる嚥下障害、呼吸がしにくくなる呼吸障害の4つの症状があらわれます。他方、ALSでは眼の動きや、排泄に必要な膀胱や直腸の筋肉、感覚神経(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)は侵されにくく、また寝たきりになっても床ずれ(褥瘡)は起こりにくいとされています。
     しかし、歩行時にふらついて両脚を広げた姿勢で歩く(小脳性運動失調)、安静時の手足のふるえ(静止時振戦[シンセン])、手足(四肢)の関節がこわばり、曲げていた手足を伸ばすときにガクガクと断続的な抵抗を感じる(筋強剛[キンキョウゴウ])、前傾姿勢で腕を振らずにすり足で小刻みに歩く(パーキンソン歩行)などの症状はみられません。

    監修:佐々木 彰一 先生

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    ALSの症状が進むと、動くことが難しくなっていき、やがて自力で起き上がれなくなります。舌の筋肉も弱まるため話せなくなり、手足が麻痺して筆記やジェスチャーもできなくなると、コミュニケーションが難しくなります。食べ物を飲み込みにくくなったら、チューブを通して栄養をとる場合もあります。最終的には、呼吸筋が弱くなり、人工呼吸器を使わなければ呼吸できなくなります。そこで、なるべく早期の段階で、症状が進んだときのために準備をする必要があります。車いすなどの補助機器、住宅環境の整備、文字盤やパソコンを利用したコミュニケーション手段など、それぞれの患者さんに合った方法を、ご家族や介護者と一緒に工夫することが大切です。

    監修:佐々木 彰一 先生

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MAT-JP-2108393-2.0-12/23