ALSとは

   ALSの診断


    ALSを発症し病気が進行していくと、徐々に身体の機能が低下していきます。患者さんごとに、症状が最初にあらわれる部位や程度は異なりますし、症状の進行がゆっくりな人も、速い人もいます。ご家族の方は、患者さんの症状に合わせて、補助器具や住宅環境など、患者さんと一緒に日常生活のなかで工夫をしていくことが必要になります。また、ALSでは意識や五感は正常のままで、知能の働きも変わらないため、患者さんが前向きな気持ちで日々を過ごせるように、患者さんの言葉や想いに寄り添い、精神面のサポートをすることも大切です。

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    ALSの患者さんとご家族は、国や地域によるさまざまな支援制度を受けられます。制度の活用については、かかりつけ医や保健所、都道府県の難病相談・支援センター、病院の医療相談などで相談することができます。 ALSは厚生労働省によって「指定難病」とされており、医療費の全額または一部について助成が受けられます。また、症状が進んだら、39歳以下の人は身体障害者手帳や障害者福祉サービスの申請を、さらに40歳以上の人は介護保険の申請を行えば、障害の程度に応じ、各種のサービス・補助が受けられます。患者さんの年齢や申請に必要なものや時期など、それぞれ仕組みが違うので、上記の機関などに相談し、忘れずに手続きをしてください。

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    ALSは厚生労働省によって「指定難病」とされており、医療費の全額または一部について助成が受けられます。「指定難病」の医療費助成を受けるまでの流れは、以下のようになっています。

    1. 都道府県の窓口(保健福祉担当課や保険所など)から申請に必要な用紙を取得します。
    2. 難病指定医を受診し、ALSの診断書の交付を受けます。
    3. 市町村役場へ世帯全員の住民票、市町村民税課税証明書を請求し、交付を受けます。
    4. 診断書と必要な書類を併せて都道府県の窓口(保健福祉担当課や保険所など)に提出し、医療費助成の申請をします。都道府県で審査を行い、認定された場合、「特定医療費(指定難病)受給者証」が交付されます。
    5. 指定医療機関を受診し、治療を受けます。

    詳しくは、お住まいの都道府県の窓口(保健福祉担当課や保険所など)に問い合わせてください。また、症状が進んだら、39歳以下の人は身体障害者手帳や障害者福祉サービスの申請を、さらに40歳以上の人は介護保険の申請を行えば、障害の程度に応じ、各種のサービス・補助が受けられます。

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    在宅療養のメリットは、介護者が家族の場合、患者さんは24時間家族と一緒にいられる、という安心感を在宅療養で得ることができることです。呼べばいつでも家族が対応してくれる、気兼ねせずに呼ぶことができる、といったことが患者さんの精神的安定につながります。療養していくうえで、精神的な安定は非常に重要なポイントの1つです。また、在宅でも訪問診療サポートなどを利用して、適切な医療を確保することが可能です。東京都では、在宅療養の難病患者さんに対して、各地域の医師会のもと、専門医とかかりつけ医の訪問診療、看護師による看護指導や保健師、医療相談員による相談対応などといった活動を行っています。

    デメリットとしては、家族が十分に介護を行えない状況で在宅療養を選択した場合、介護ヘルパーなどに訪問介護を依頼することになります。患者さんと訪問介護者は長い時間を一緒に過ごすことから、その人間関係が重要となります。また、訪問介護者の人件費や自宅への介護設備の設置など、金銭的負担も考慮しなければなりません。さまざまな支援制度がありますので是非活用するようにしましょう。

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    介護入院では、患者さんの基礎疾患の管理だけではなく、合併症などを引き起こした場合でも、医師による早急で的確な対応を24時間受けることが可能です。さらに、患者さん本人が入院後に望むことなども、積極的に医師や看護師、医療関係者とともに話し合い、決定していくことができる環境も整ってきています。また、在宅療養で患者さんを介護されているご家族の休息(レスパイト)のために、一時的に患者さんの入院に対応するレスパイト入院制度が、東京都をはじめ都道府県ごとで設けられています。こういった介護入院では、介護者であるご家族に寄り添う役割も果たしています。

    デメリットはそう多くはありませんが、患者さんが療養していくうえで望むことと、主治医や医療関係者との意見が必ずしも一致するものとは限らないことなどが挙げられるでしょう。

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    日本では、ALSの終末期ケアは在宅よりも病院で受ける方のほうが多いと思われます。日本の中部6県において訪問看護に従事している方を対象に調査した結果では、ALS患者さんの63%は病院、31%は在宅での終末期ケアを選択されました1)。

    欧州の先進国では、終末期ケアを受けるALS患者さんの割合は、ホスピスなどを含む医療施設と在宅で同程度と報告されています。ドイツと英国で行われた調査では、ALS患者さんの約半数(ドイツ55%、英国52%)は在宅での終末期ケアを選択されていました2)。

    1. Ushikubo M, et al. Int J Palliat Nurs. 18(11):554-560, 2012
    2. Neudert C, et al. J Neurol. 248(7):612-616, 2001

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