運動障害

運動障害が進んだとき

車いすの入手


歩行中転びやすくなったら、車いすを使用しましょう。車いすを入手するときは、機能や形、入手時期、福祉制度の有効な活用方法などを、主治医の先生や理学療法士に相談しましょう。
ALSは症状が早く進行するので、最初に入手した車いすが、症状の進行のために合わなくなる場合も出てきます。1台めはレンタルや安価なものを自費で購入して調達し、2台めを福祉の補助で入手するという方法もあります。
購入費用については、身体障害者手帳の等級が1級または2級の人は、市区町村から福祉の補助を受けることができます。しかし、給付申請をしてから許可が下りるまでに約2ヵ月かかり、オーダーメイドの場合はさらに製作に3ヵ月かかりますから、早めに入手の検討を始めたほうがよいでしょう。また、費用の給付額は市区町村によって異なりますので、福祉事務所に問い合わせてください。

●車いすの入手手順                                

                    

 

<標準型車いすの種類>

標準型の車いすにも、素材や仕様の異なるいろいろな種類の車いすがありますが、大きく分けると、タイヤの大きさによって「自走式車いす」と「介助式車いす」に分かれます。

●自走式
                                     
●介助式
                                    

<リクライニング型車いす>

ALSの症状が進んで、首が支えられなくなったら、頭を固定するためのヘッドレスト(①)、からだを固定するベルト(オプションで取り付け)、足を乗せるフットレスト(②)、脚を支えるレッグレスト(③)、両脇を固定するためのアームレスト(④)などが必要です。
姿勢が保てなくなったら、リクライニング機能のあるもの(⑤)が適しています。
                              
                     

ベッドへの移乗がしやすいように、アームレスト、フットレストは着脱式や跳ね上げ式が便利です。座っていて痛みがある場合は、座面や背もたれに除圧効果の高いクッションを取り付けるとよいでしょう。
 

電動ベッドの使用とマットレス


自力で起き上がれなくなり全面的に介助が必要になると、介助者の労力をできるだけ減らすために、予算が許せば電動ベッドの使用をおすすめします。電動ベッドには、2モーター式と3モーター式がありますが、症状が進んだときのことを考えると3モーター式がよいでしょう。背もたれの角度、ひざの高さ、ベッドの高さが別々に調節できるので、患者さんにとっても介助者にとっても快適で便利です。
 



マットレスは、自分がもっとも心地よく感じる硬さを選びましょう。ウレタン製やスプリング式に加え、ウォーター式、エアマット式など、いろいろな種類のマットレスがあるので、主治医の先生や保健師などに相談しましょう。
 

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